ちゃんとやってるもーん

研究やってる人の研究じゃない方の記録. courage, confiance, affection et espoir.

ナラタージュ

観て来た

長いです

 

原作は中3の時に友達が教えてくれたことがきっかけで出会って,それ以来作家・島本理生のファンになり,彼女の作品を片っ端から読んできた(まだ手をつけていないのもあるけど)

そんな中でナラタージュ島本理生さんの作品で一番初めに読んだものだからというのもあって彼女の作品の中でも好きな方に入る(一番好きな作品は別だし,後述するが映画化して欲しくないし,有名になって欲しくもない)

だからいわゆるアニメとかの実写化を嫌う人が一定数いるように私もこの作品の映画化はものすごく抵抗があった 発表されていたキャストに大幅な不満があったっていうのがあってね

 

でも観てきた 発表されていたキャストの中で唯一,小野玲二が坂口健太郎さんなのはものすごくしっくり来たし,坂口健太郎さんがあの愛情歪みし嫉妬深き青年を演じるのは楽しみだった もはやそれだけのために,後は監督が10年間温めてたというくらいだから原作ファンが怒るようなものにはなっていないだろうという(割と低めの)期待値があったから

 

はい,感想

期待値低いとか言ってごめんなさいでしたばりの,いい作品だった

cinema.ne.jp

言いたいことは大体↑に書いてあった

 

まあいくつか語りたいので語らせてくれ

 

①原作改変のこと

原作改変はあるけど,悪い改変がなかった,と私は思う

・舞台を東京&長野じゃなくて富山&京都にしたこ

初めは違和感あったけど原作のあの静かな空気感は小説であれば東京でも平気なものの,映画にするには東京が舞台なのは煩すぎる(ただし玲二の故郷が京都なのは解せない‥京都弁があの中で登場するのは解せない‥富山から長野は無理あるとしてもせめて玲二の故郷は北国がよかったなあ)

(泉はずっと小野君と呼んでいるけど小野君呼ばわりは個人的に抵抗があるので玲二と書きます)

 

・玲二が理系学生・教員志望から靴職人志望に変わっていたこ

秀逸だと思った

映画では靴を作ってプレゼントするところに玲二の執着の強さが出てて,これは映像ならではの良さだと思った 小説だと無理あるし,原作では違和感のなかった玲二が泉に告白する玲二の家でのシーンは映画では靴の試作品あってこその家への連れ込み方だったと思う

出会って初っ端に泉に足のサイズ聞いたのも,後で玲二の執着の強さをじわじわと感じさせるシーンだった

 

・原作ラストがすっぱり消えていたこ

映画,原作知らないとバッドエンドで終わったように見えちゃうけどいいんですか

(10/16追記 主題歌のadieuさんのナラタージュの音源を買って何回か聴いた これ聞くとこのラストでも問題ないのかもしれない)

 

それ以外の原作改変はいい方向に動いているなと思った

登場人物を3人(プラス柚子?)に徹底して絞ったのは時間のこともあるだろうし、原作の中から取り上げたい物語を抽出するためだろうし

 

そういえばドイツのくだりとか全く無かったなとしばらくしてから気づいた 

演劇部初登場シーンで自己紹介カットしたのは原作読んでない人に優しくないような、、配役のところで名前出るからいいのかなあ

 

②映画館で見たことについて

大画面スクリーン・音響の良さというのが映画館のよさだけど

ちょっとだいぶ後悔してる

観客の雑音があまりにもあまりにも‥ ポップコーンカサカサですらなんかもうダメだった 徹底的に静かな環境で見たかったからブルーレイ借りて一人で見るのが理想だったのかも

終わった後に周りの人が口々に感想言うのも聞きたくなかったし,もう,喋るのは映画館出てからにしてくれ,一人で私はこの映画を閉じ込めて噛み砕いて消化したかった

 

③キャストのこと

事前発表からキャストおかしくない???????って思ってたけど

実際観たらぐうの音も出ないくらい良かったです おかしくない

有村架純さんの細かい表情の変化が良かったし,

松本潤さんのどっちつかずグズグズ葉山先生は良かった 実は事前発表の最大不満ポイントだったけど良かった 髪を切るシーンの鼻筋を見てこの人で良かったと思った

柚子ちゃんの儚さと伏線のうまさも秀逸

 

後はもう坂口健太郎さんの期待以上の感じ,ファンになりそう

とと姉ちゃんの時から割と好きですけど ああ言う薄い顔がどうもツボで

 

④そもそも映画化のこと

内容はすごく良かったんです また見返したい映画なんです

ただ,映画化したと言う事実が一番引っかかる‥

誰しも自分の大好きなもの,自分だけに仕舞っておきたいお気に入りってあると思うんです,

ナラタージュ映画化がその自分が大事に仕舞って来たものが引きずり出されて無理やり日の目を浴びさせられたような感覚で,それがとても身の毛のよだつ感覚になる

例えるなら他の人から見たらじっとりとして何年も洗っていないようなぬいぐるみが,自分にとってはとても大事なもので,そのじっとり感を気に入っているのに無理やり洗濯にかけられたような気分(※自分の名誉のために言っておくとわたしは潔癖なのもあって家にあるぬいぐるみはちゃんと綺麗にしていますよ,念のため)

 

島本理生さんの別の作品の一説に

 

"それまでは、たくさんの小さなことを大切にしてた。文房具屋をまわってようやく見つけた皮のペンケースとか、新しいボディオイルを初めて使った夜に、ベッドの中で温められた花の香りが上がってくる瞬間とか、昔好きだった人が片耳にしていたピアスを今も真似しているとか。

(中略)

あのときから、きっと、私の小さな世界は壊れはじめていた。"

 

とあるけど,まさにそんな感じ

 

私にとって島本さんの作品ってお気に入りのものであればあるほど,自分で何度も読み返してその時々の自分なりに解釈して噛み砕いてと言うのを繰り返していて,誰にも明かさずに自分の中にずっと閉じ込め続けているものなんです だから彼女の作品のお気に入りトップ3は人に勧めたりすることも絶対にない(ちなみにいまの最新刊は勧められる作品)

つまり映画化されたと言う事実について思うことは,そう言うことなんです

 

でも原作者が喜んでればそれでいいかな,島本さん映画好きだし

 

ブルーレイ早く出ないかなあ‥

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